目標に向かって走っていると、幾度も壁にぶつかり、悩むことがある。しかし、その渦中で得た気づきは、また新たな挑戦の道を拓く大きな弾みとなる。松岡校長が師範代(編集コーチ)として一途に走破した大越康弘さんに贈った本は、ある名人の破天荒な物語とエールだった。
大越 康弘さん 14期[守] 風鈴斜塔教室 師範代
(ITコンサルタント/東京都)
ISIS編集学校略歴:11期[守][破]学衆、3期花伝所、14期[守]師範代、3季[離]学衆
松岡正剛校長から大越康弘さんへの先達文庫
『名人に香車を引いた男』升田幸三伝 中公文庫

【あらすじ】将棋界稀代の名人の半生記。少年時代に途方もない夢を抱き、幾多の修羅場を乗り越えてついに大望を果たすまでの道のりを綴る。
千夜千冊#841 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0841.html
名人に学べ!大望を抱け!
この本とともに松岡校長からいただいたメッセージは、「大きなものに向かうこと」というものです。
当時を振り返ってみると、師範代として、枠内にキッチリとまとめていこうという傾向が強く、反面小さなことに捉われすぎてしまうこともあった気がします。本書で枠自体がいくらも変わる破天荒な人生をまのあたりにして、なんでもありなんだなあという実感が湧き上がり、数々の運命の皮肉にも不屈の精神力をもって進み続けた姿には、チャレンジし続けることの大事さを一層確信もしました。
師事した先生や同門の先輩はもとより、将棋界のなかで別グループに属する諸先輩からも、いわば「斜め」のサポートをいろいろと受けて成長していく著者の姿。思えば師範代(編集コーチ)のときも、師範や学匠(編集マネージャー)をはじめとする手厚い仕組みのなかで直接間接にサポートをいただきながら、[守]の期間を全うできたのだと改めて思います。

歌舞伎座の前で(左)/千夜千冊を“地”に、先達文庫を“図”として読む(右)

歌舞伎座の前で(左)/千夜千冊を“地”に、先達文庫を“図”として読む(右)
この翌年に受講した[離](世界読書奥義伝)は、まさしく「大きなもの」に向かい続けた体験でした。とてつもない課題の連射に無我夢中で取り組みなりふり構わずに突き進んでいったことで、小さな捉われもずいぶんとほぐれた感じがありました。
さらにその後、仕事上の環境が大きく変化したときにも、大きなものに向かう好機として捉えることができました。これからも「大きなもの」に向かい続けていきたいと思います。

先達文庫を手に。大越さんの編集の旅は続く
(文・大越康弘)

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